コーポレートサイト(会社の公式サイト)も、採用サイトも、ECサイト(ネットで商品を売る通販サイト)も、同じ「Webサイト」。でも、開いてみると雰囲気がまるで違いますよね。
違いの正体はセンスではありません。サイトの目的が違うから、デザインの正解が変わるんです。
このレッスンでは、Webサイトの種類を目的で整理して、種類ごとにデザインの何が変わるかを解説します。読み終えると、案件の最初に「どんなサイトですか」と聞く理由が分かるようになりますよ。
Webサイトの種類は「目的」で分ける
Webサイトの種類は、見た目や規模ではなく、訪問者に何をしてほしいかで分けます。実務でよく出てくるのは、この6種類です。

| 種類 | 目的 | 主な訪問者 |
|---|---|---|
| コーポレートサイト | 会社を知って、信頼してもらう | 取引先・求職者・株主 |
| 採用サイト | 「ここで働きたい」と思ってもらう | 求職者 |
| ECサイト | 商品を買ってもらう | 買い物客 |
| メディアサイト | 記事を読んで、また来てもらう | 情報を探す人 |
| ブランドサイト | 商品や企業の世界観を好きになってもらう | 見込み客・ファン |
| LP | 申し込み・購入という1つの行動 | 広告を見た人 |
この中でLPだけは縦長1ページという特殊な形です。詳しくは前のレッスンLPデザインの実務で解説しています。
実務では「コーポレートサイトのリニューアル」のように、種類の名前で依頼が来ます。名前を聞いた瞬間に目的とデザインの主役を思い浮かべられると、提案が速くなります。
種類ごとに設計はこう変わる
同じ会社でも、コーポレートサイトと採用サイトではデザインが別物になります。代表的な3種類で、何が変わるかを見ていきましょう。
コーポレートサイト:信頼感と探しやすさ
主役は会社の情報です。会社概要・事業内容・お知らせに、迷わずたどり着けることが第一。配色は色数を絞った落ち着いた組み合わせ、レイアウトは整列を効かせた堅実な組み方が基本です。奇抜さより、初めて来た人が迷わないことを優先します。
ナビゲーション(ページ上部にあるメニュー)の言葉も「事業内容」「会社概要」「採用情報」という定番の呼び方を使います。独自の言い換えは、探している人を迷わせるだけです。
採用サイト:感情に届ける
同じ会社でも、採用サイトは表現の自由度が上がります。働く人の写真を大きく使い、コピーで語りかける。訪問者に「入社後の自分」を想像してもらうのがゴールなので、情報の網羅より先に感情に届ける設計をします。

ECサイト:商品と導線がすべて
主役は商品写真です。デザイナーの仕事は、商品を引き立てる背景に徹すること。カートまでの道のりを短くして、ボタンや商品カードの形をそろえます。ボタンやフォームの細かい設計は、第6章のUIパーツのレッスンで解説しています。
メディアサイト・ブランドサイト
メディアサイトの主役は文字組みです。長い記事を最後まで読める行間・文字サイズと、次の記事へ進む回遊の導線を設計します。文字の整え方はタイポグラフィのレッスンが土台になります。
ブランドサイトは、6種類の中でいちばん表現の自由度が高いサイトです。写真・動き・色をそろえて世界観を作ります。方向を決めるのはトーン&マナーです。
種類が違っても共通すること
種類ごとの違いを見てきましたが、設計の出発点はどれも同じです。
- 目的とペルソナを先に決める(ターゲットとペルソナ)
- ヘッダー・ナビ・フッターという基本構造は共通(Webページの構成要素)
- 近接・整列・反復・対比の4原則はどの種類でも土台
種類が変えるのは配色・写真・トーンの方向です。レイアウトの基本ルールは、どの種類でも同じまま使えます。基礎の章で学んだことは、どの案件でも無駄になりません。
ミニ実践:3つのサイトを表で比べる
目的とデザインのつながりを、自分の目で確かめる練習です。15分あれば終わります。
- 好きな会社を1社選び、コーポレートサイトを開きます
- 同じ業界の採用サイトとECサイトも開きます(同じ会社になくても大丈夫です)
- 「目的」「最初に目に入るもの」「色数」「写真の使い方」の4項目で表にします
- いちばん違いが出た項目に印をつけます
「目的が違うとここまで変わる」を自分の言葉でメモしておくと、案件のヒアリングでそのまま役に立ちます◎
- そのサイトの目的を一言で言える
- 最初に目に入るものが、目的とつながっている
- 色数と写真の使い方の違いを、言葉で説明できる
よくある質問
次に学ぶこと
整理します。Webサイトの種類は目的で分ける。コーポレートは信頼と探しやすさ、採用は感情、ECは商品と導線。種類が変えるのはトーンで、4原則の土台は共通です。
種類が決まったら、次の工程は設計です。載せるページを一覧にしたサイトマップを作り、各ページの下書きにあたるワイヤーフレームへ進みます。この手順はワイヤーフレームとモックアップのレッスンで解説しています。
次のレッスンは「チラシ・フライヤーの実務」。画面から紙に変わると、レイアウトと入稿の何が変わるかを学びます。

学ぶ順番の全体はデザインの基本コースにまとめています。
