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デザインの見直し方|公開前セルフチェックリストと客観的に見る4つの方法

実践編 読了目安 8分

INDEX目次

    作り終わったのに、これで合っているのか分からない。デザインを学びはじめた人がいちばん長く抱える悩みです。

    原因は実力ではありません。見直す手順を持っていないだけです。作った直後の自分は、いいところしか見えなくなります。誰でもそうなるので、意志ではなく手順でひっくり返します。

    このレッスンでは、公開前に自分で回すチェックの手順をまとめます。読み終わったら、いま手元にある作品を10分で見直せるようになりますよ◎

    もくじ

    見直しは「遠くから近くへ」の順でやる

    見直しで失敗する人は、たいてい細部から手をつけます。文字を少し大きくしたり、線の色を変えたり。でもそこは最後です。

    全体の形がずれていると、細部をどれだけ直しても印象は変わりません。しかも形を直した瞬間に、細部の調整はやり直しです。順番はこの4段階で固定します。

    作品の見直しは遠くから近くへ進める。目的、かたち、文字、細部の4段階と、それぞれの段階で見つかる崩れを並べた手順図
    見直しの4段階
    1. 目的/誰に、何をしてほしい1枚か。言葉で言えるか
    2. かたち/3歩さがって、まとまり・そろい・余白を見る
    3. 文字/ふつうの距離で読んで、すっと入ってくるか
    4. 細部/画面に寄って、色数・誤字・書き出しを確かめる

    直すのも、見つけた順です。1で引っかかったら、2以降は見なくていい。目的がぶれたまま整えても、整った失敗作ができるだけです。

    段階ごとのチェックリスト

    ここが本体です。作品を横に置いて、上から順に見ていってください。全部で3〜10分です。

    段階1:目的

    • 誰に見せる1枚か、1文で言える
    • 見た人にしてほしい行動が1つに決まっている
    • いちばん目立っているものと、いちばん伝えたいものが一致している
    • 要件に書いてあった情報が全部入っている

    3つ目でつまずく人が多いです。写真がいちばん目立っているのに、伝えたいのは開催日だった、というずれ。ここが合っていないと、あとの工程は全部むだになります。

    うまくいっている例は身近にあります。コンビニの新商品のポスターは、商品名と写真がいちばん大きく、価格がその次です。伝えたいものと、目立っているものが一致しています。

    段階2:かたち

    • 情報のまとまりが2〜4個に収まっている
    • まとまりの中の間隔より、まとまりどうしの間隔が広い(目安は2倍)
    • 要素の左端(または中心)が1本の線にそろっている
    • 上下左右の余白が、要素どうしの余白より狭くなっていない
    • 同じ役割のものが、同じ見た目になっている

    「散らかって見える」の正体は、ほぼこの5つのどれかです。まとまりの数え方はデザインの4原則、間隔の決め方は余白の使い方に戻って確認してください。

    段階3:文字

    • いちばん大きい文字と本文の差が1.5倍以上ある
    • 書体が2〜3種類に収まっている
    • 行間が文字の大きさの1.5〜1.8倍くらいある
    • 1行の長さが長すぎない(画面なら20〜35字が目安)
    • 文字と背景の明るさの差がはっきりしている
    • タイトルの字間が、詰まりすぎ・あきすぎになっていない

    読みにくさの判断に迷ったら視認性・可読性・判読性へ。行間は行間の取り方、字間は文字詰めの基本で数字まで決められます。

    段階4:細部

    • 色が3色以内(白・黒・グレーは別)
    • 差し色を、いちばん伝えたい部分にだけ使っている
    • 日付・曜日・金額・固有名詞に打ち間違いがない
    • 画像がぼやけていない(拡大しすぎていない)
    • 書き出し(画像ファイルとして保存すること)の形式とサイズが、掲載先の指定と合っている
    • スマホの画面で見て、いちばん小さい文字が読める

    誤字は自分では見つかりません。文字だけを別のメモに書き出して、要件の原文と1文字ずつ突き合わせるのがいちばん確実です。

    自分の作品を客観的に見る4つの方法

    チェックリストを持っていても、目が慣れていると素通りします。目をリセットする方法を4つ紹介します。どれも1分かかりません。

    自分の作品を客観的に見る4つの方法(縮小する・灰色にする・逆さにする・時間をおく)と、それぞれで見つかる崩れを並べた分類図

    1/縮小して見る

    表示を1/4くらいまで小さくします。細部が見えなくなるので、全体の形と主役だけが残ります。
    この状態で主役が読めないなら、実際にスマホで見た人にも読めません。いちばん効く方法なので、最初にこれをやってください。

    YouTubeの一覧に並ぶサムネイルも、Instagramのタイムラインの画像も、だいたいこのくらいの大きさで目に入ります。縮小した状態のほうが本番だと思ってください。

    2/灰色にして見る

    スクリーンショットを撮って、白黒に変換します。スマホの写真アプリのフィルターで足ります。
    色で目立たせていた部分は、灰色にすると沈みます。ここで主役が消えるなら、目立っていたのは色だけで、大きさや位置の差がついていません。

    3/上下を逆さにして見る

    画面を180度まわすか、スマホで撮った写真を回転させます。文字が読めなくなるので、形と余白だけが目に入ります。
    そろっていない端、幅がばらついた余白、傾いた要素。読める向きでは見逃していたずれが出てきます。

    4/時間をあけて見る

    一晩ねかせます。難しければ半日、それも無理なら30分でも変わります。
    作った直後は、苦労した部分を守りたくなります。時間をおくと、その気持ちが薄れて「これ要らないな」が見えてきます。

    4つの中で、どれか1つだけやるなら縮小です。3秒でできて、見つかる問題がいちばん大きいからです。

    直す順番は「面積が大きいもの」から

    問題が5つ見つかると、どれから直せばいいか迷います。判断の基準は画面に占める面積です。大きいものほど、直したときの変化も大きくなります。

    優先直すもの効き方
    1全体の配置・余白印象がまるごと変わる
    2主役の大きさ・位置伝わる速さが変わる
    3色(特に背景と大面積)雰囲気が変わる
    4書体・行間・字間読みやすさが変わる
    5飾り・線・アイコン仕上がりの丁寧さが変わる

    時間が足りないときは、上から2つだけ直して出します。5番だけ直しても、見る人には違いが分かりません。

    ミニ実践:10分で1枚を見直す

    手元にある作品を1つ用意してください。総合演習で作ったバナーでも、昔作ったものでも構いません。

    10分の見直し手順
    1. 紙に「誰に、何をしてほしいか」を1文で書く(1分)
    2. 表示を1/4に縮小して、最初に目に入ったものをメモする(1分)
    3. 1と2が食い違っていたら、そこだけ直す(4分)
    4. 白黒に変換して、主役がまだ立っているか見る(1分)
    5. 段階2〜4のチェックリストを上から流す(3分)

    大事なのは1で書いた1文を、見直しのあいだずっと横に置いておくことです。これがないと、直すたびに判断の基準がずれます💡

    よくある質問

    チェックリストを全部通したのに、まだしっくりきません

    チェックリストで消えるのは「見づらさ」です。そこから先の「良さ」は、写真の質・言葉の選び方・配色の好みで決まります。
    しっくりこないと感じているなら、見づらさはもう解決できている可能性が高いです。次は好きなデザインを3つ集めて、自分の作品と何が違うかを言葉にしてみてください。「余白が広い」「写真が主役」など、違いが1つ言えたら直せます。

    人に見てもらったほうが早くないですか?

    両方やるのがいちばん早いです。ただし順番があって、自分でチェックしてから見せてください。
    自分で気づける崩れを人に指摘してもらうのは、もったいない使い方です。セルフチェックを通したあとに残る指摘は、自分では見えない部分なので、学びの密度がまったく違います。
    見せるときは「どこを見てほしいか」も一緒に伝えると、答える側も助かりますよ。

    直しはじめると、いつまでも終わりません

    終わりの条件を先に決めておくと止まれます。おすすめは「チェックリストが全部埋まったら出す」です。
    時間で区切るのも有効です。見直しは制作時間の2〜3割まで。90分で作ったなら、見直しは20〜30分で切り上げる。ここを超えると、良くなるより迷いが増えます。

    クライアントに出す前も、この手順でいいですか?

    同じ手順で大丈夫です。1つだけ足すなら、要件の紙と1文字ずつ突き合わせる作業を最後に入れてください。
    実務で問題になりやすいのは、デザインの良し悪しより、日付の間違い・電話番号の抜け・社名の表記ゆれです。ここは見た目の判断が要らないので、疲れていても必ずやります。

    次に学ぶこと

    まとめます。

    • 見直しは目的 → かたち → 文字 → 細部の順。遠くから近くへ
    • 目をリセットする方法は4つ。迷ったら縮小
    • 直す順番は、面積が大きいものから
    • 「誰に、何をしてほしいか」の1文を、見直しのあいだ横に置く

    まだ課題を作っていない方は、総合演習(修了課題)で1枚作ってから戻ってきてください。見直す対象があると、この手順は一気に身につきます。

    ここまででコースは終わりです。この先の進み方は修了ページ(次のレベルの選択肢)にまとめました。独学を続ける、本で補う、人に見てもらう。選択肢を並べてあるので、自分に合うものを選んでください。

    学んだ内容を振り返るときはデザイン基礎コースの目次からどうぞ。

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