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インフォグラフィックの作り方|5つの型と数字を図にする手順

第5章 装飾とビジュアル表現 読了目安 8分

INDEX目次

    資料に数字を並べたのに、「で、結局どういうこと?」と聞き返された。そんな経験はありませんか?

    数字は、文章のままだと大きさが伝わりません。読む人が頭の中で並べ直して、やっと差が分かります。
    その手間をなくすのがインフォグラフィックです。特別な絵心は要りません。型を1つ選んで、数字を絞って、色を2色にする。この3つで、伝わる図になります。

    このレッスンでは、インフォグラフィックの意味、よく使う5つの型、作る手順の順で見ていきます。最後に自分の1日を図にする練習もあるので、手を動かして覚えていきましょう。

    もくじ

    インフォグラフィックは、読ませずに伝えるための図

    インフォグラフィックは、情報を意味する「インフォメーション」と、図を意味する「グラフィック」を合わせた言葉です。日本語にすると「図解」がいちばん近い言い方になります。
    複数形のインフォグラフィックスという表記も見かけますが、指しているものは同じです。どちらで書いても間違いではありません。

    同じ調査結果を文章で書いた場合と横棒グラフにした場合を並べた図解。図にすると68%・24%・8%の割合の差が読む前に分かることを示している

    上の図を見てください。左は「スマホ68%、パソコン24%、タブレット8%」を文章で書いたもの。右は同じ内容を横棒にしたものです。
    左は3つの数字を覚えて比べる作業が要ります。右は棒の長さの差が、そのまま割合の差です。読む前に大小が分かりますよね。

    インフォグラフィックの目的は、きれいに見せることではありません。読む人が考える手間を減らすことです。ここを外すと、飾りの多いだけの図になります。

    図解との違いはどこか

    「図解とインフォグラフィックは何が違うの?」とよく聞かれます。厳密な線引きはありませんが、現場では次のように使い分けています。

    呼び方中身使う場面
    図解言葉や関係を図にしたもの全般。数字がなくてもよい手順の説明、仕組みの説明
    インフォグラフィックデータや数字が中心。グラフを含む1枚の作品にまとめる調査結果の発表、広報物、SNS投稿

    ざっくり言えば、図解のうち数字を扱うものがインフォグラフィックです。呼び分けにこだわる必要はありません。作るときの手順は同じです。

    身近なところにもたくさんある

    特別なものではありません。毎日目にしているはずです。

    身のまわりのインフォグラフィック
    • 駅の路線図。距離は正確ではなく、乗り換えの分かりやすさを優先している
    • 天気予報の週間予報。晴れマークと気温の折れ線を重ねている
    • 食品パッケージの栄養成分表示のグラフ
    • 選挙速報の議席数の帯
    • 非常口の案内図

    どれも「文章で書くと長い情報」を、見た瞬間に分かる形にしています。路線図が分かりやすいのは、実際の距離を捨てて、乗り換えの順番だけを残しているからです。捨てる情報を決めるのが、作る側の仕事ですね。

    よく使う5つの型

    ゼロから考えなくて大丈夫です。使う型はだいたい5つに決まっています。手元のデータがどれに当てはまるかで選びます。

    インフォグラフィックでよく使う5つの型を並べた一覧図解。比較の棒グラフ、推移の折れ線、割合の円グラフ、手順のフローチャート、分布の点の図をそれぞれの用途とともに示している
    向いているデータよく使う形
    比較項目ごとの大小を見せたい棒グラフ
    推移時間による変化を見せたい折れ線グラフ
    割合全体に対する内訳を見せたい円グラフ、帯グラフ
    手順順番と分かれ道を示したいフローチャート
    分布場所や量のかたよりを示したい地図、点の図

    型を見分ける練習も、手元のもので足ります。天気予報の週間気温は推移(折れ線)、選挙速報の議席数は比較(棒)、スマホの設定にあるバッテリーの使用状況は割合(帯グラフ)です。帯グラフは、横1本の帯を割合で区切った図のことですね。

    4番目のフローチャートだけ少し補足します。これは作業の順番を四角で並べ、判断が必要なところを分岐として書く図です。「申し込む → 審査 → 通ったら発送、通らなければ連絡」のように、進み方が枝分かれする説明に使います。
    手順が一本道なら、番号つきの箇条書きで足ります。分岐があるときだけフローチャートにしてください。

    1枚の図に型は1つだけ。棒グラフと折れ線と円グラフを1枚に詰め込むと、どこを見ればいいか分からなくなります。伝えたいことが2つあるなら、図を2枚に分けてください。

    作る手順は4つ

    いきなりツールを開かないでください。順番を守ると、途中で作り直さずに済みます。

    インフォグラフィックの作り方を4段階で示した手順の図解。伝えたい1文を決める、数字を3〜5個に絞る、型を1つ選ぶ、色を2色にするという流れを並べている
    1. 伝えたい1文を先に決める。「スマホから見る人が7割」のように、図を見た人に持ち帰ってほしい言葉を書き出します。ここが決まらないうちにグラフを作ると、何を強調すればいいか決められません
    2. 数字を3〜5個に絞る。手元の数字を全部載せると、主役が消えます。載せない数字を決めるほうが大事です
    3. 型を1つ選ぶ。さっきの5つから、1文に合うものを選びます
    4. 色を2色にする。主役だけ濃い色、残りは同じ薄い色にします

    4のところでつまずく人が多いので、もう少し書きますね。項目ごとに違う色を塗ると、全部が同じ強さで主張して、結局どれも目立ちません。色は区別のためではなく、強調のために使うと決めてしまうと迷わなくなります◎

    ツールは何でも構いません。CanvaでもGoogleスライドでもExcelでも作れます。大事なのは1〜3の順番のほうです。

    伝わらない図になる3つの原因

    作ったのに伝わらないとき、たいてい原因はこの3つのどれかです。

    立体にして見た目を盛る

    円グラフを立体にすると、手前の項目が実際より大きく見えます。棒グラフに影をつけると、棒の長さの端がぼやけます。
    直し方は簡単で、立体と影をやめて平らに戻すだけ。地味に見えても、こちらのほうが正確に伝わります。

    目盛りの始まりをゼロにしていない

    棒グラフの目盛りを50から始めると、52と58の差が実際の何倍にも見えます。読む人は棒の長さの比で受け取るので、これは事実と違う印象を与えます。
    棒グラフの目盛りはゼロから。差が小さくて見えないときは、棒をやめて数字を大きく書くほうが誠実です。

    単位と出典が抜けている

    「68」とだけ書いてあると、%なのか人数なのか分かりません。調査の出典がないと、その数字を信じてよいかも判断できません。
    図の下に小さく単位・調査時期・出典を入れてください。文字は小さくて構いません。あるかないかが問題です。

    できあがったら、この4つを確認してみてください。

    できあがったら確認する4点
    • 3秒見ただけで、伝えたい1文が読み取れる
    • 使っている色が2色(+文字の色)に収まっている
    • グラフが平らで、目盛りがゼロから始まっている
    • 単位・時期・出典が入っている

    ミニ実践:自分の1日を図にする

    10分の練習です。題材は自分の1日。データを探さなくていいので、すぐ始められます。

    1. 昨日1日の時間の使い方を、紙に書き出します。睡眠・仕事・食事・移動・スマホ・その他の6項目くらいで十分です
    2. 合計が24時間になるように、それぞれの時間を書きます。感覚で構いません
    3. 伝えたい1文を決めます。「移動とスマホで4時間使っていた」のように、自分が驚いたことを1文にします
    4. 型を選びます。1日の内訳なので割合の型(帯グラフ)が合います。24時間を横1本の帯にして、6項目を左から順に並べます
    5. 1文で選んだ項目だけ濃い色にして、残りは同じ薄い色にします
    6. 帯の下に「昨日の記録・自己申告」と書きます。これが出典です

    紙とペンで大丈夫です。定規で線を引いて、24時間を24マスに区切るとそのまま帯グラフになります💡
    できたら、家族や同僚に見せて「何が言いたい図に見える?」と聞いてみてください。決めた1文と違う答えが返ってきたら、強調する場所がずれています。

    この練習のいいところは、データを疑う目が育つところです。自分で作ってみると、世の中のグラフの目盛りや色の使い方が気になり始めますよ。

    よくある質問

    インフォグラフィックとは何ですか?

    データや情報を、図やグラフの形にまとめたものです。文章で読むと時間がかかる内容を、見た瞬間に分かる形にします。
    ポイントは、載せる情報を減らすところにあります。全部を図にするのではなく、伝えたい1文に必要な数字だけを残します。

    インフォグラフィックを日本語で言うと何ですか?

    「図解」または「情報図」と訳します。定訳はなく、実務では「インフォグラフィック」とそのまま呼ぶことがほとんどです。
    資料の中で使うなら「図解」で通じます。相手に合わせて言い換えて大丈夫です。

    図解とインフォグラフィックの違いは何ですか?

    図解のほうが広い言葉です。仕組みや手順を絵にしたものも図解に含まれます。
    インフォグラフィックは、その中でも数字やデータが中心のものを指します。作る手順は同じなので、呼び分けに悩む必要はありません。

    絵が下手でも作れますか?

    作れます。イラストは要りません。
    四角・線・丸だけで作った図のほうが、読み取りやすいことも多いです。イラストを足すのは、内容が固まって余裕が出てからで間に合います。

    次に学ぶこと

    このレッスンの要点をまとめます。

    • インフォグラフィックは、読む人が考える手間を減らすための図
    • 型は5つ(比較・推移・割合・手順・分布)。1枚に1つだけ
    • 手順は、伝えたい1文 → 数字を絞る → 型を選ぶ → 色を2色にする
    • 立体・ゼロ始まりでない目盛り・出典なしは避ける

    図の中で使う小さな絵は、アイコンとピクトグラムのレッスンで扱います。項目の横に何を置くか迷ったら読んでみてください。
    ここまでで装飾とビジュアルの章は終わりです。次の章はWebページの構成から始まります。作ったものを実際のページのどこに置くかの話に進みます。

    ほかのレッスンはデザインの基本コース目次から選べます。順番に進めても、気になるところだけ読んでも大丈夫です。

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