「配色もレイアウトも学んだのに、いざ『バナー作って』と頼まれると手が止まる…」そんな状態になっていませんか?
実際の仕事は、バナー・LP(1つの申込みに絞った縦長ページ)・チラシのような「制作物」の単位で依頼が来ます。広告の世界では、こうした制作物そのものを「クリエイティブ」と呼びます。クリエイティブ編は、その制作物ごとの実務をまとめた章です。
第1〜7章で学んだ基礎を、現場の定番7つに当てはめていきましょう。サイズの規定、入稿(完成データを媒体へ提出すること)の流れ、情報の絞り方。基礎編では出てこなかった「仕事の段取り」まで扱います。
クリエイティブ編で扱う7つの制作物
この編で扱うのは、バナー・SNS画像・LINE・LP・Webサイト・チラシ・名刺の7つ。Webの広告から紙ものまで、デザイナーが依頼される定番がそろっています。
まず、それぞれがどの場面で使われるのかを整理します。

お客さんとの接点の順に並べると、こうなります。最初の出会いを作るのがバナー広告・チラシ・名刺。くわしく知って比べる場所がWebサイトとSNS。申し込みの受け皿がLP。そのあとの関係を保つのがLINEとSNSです。
たとえば同じ「カフェの新メニューのお知らせ」でも、担当する場面が違えば作り方が変わります。バナーなら一瞬で目に入るキャッチコピーと写真だけ。チラシなら地図やメニュー表まで載せられます。LINEのリッチメニュー(トーク画面の下に固定表示されるメニュー画像)なら「新メニュー」というボタンを1つ増やす判断になるかもしれません。
内容が同じでも、正解のデザインは制作物ごとに別。これがクリエイティブ編の前提です。
制作物が変わると、何が変わるのか
「基礎は学んだのに、制作物ごとに学び直すの?」と思うかもしれません。変わるのは次の3つです。
- サイズと規定:媒体ごとに決まったサイズ・容量・形式があります。守らないと入稿で差し戻しです
- 見る人との距離と時間:バナーは一瞬で流し見、LPはじっくり読む、名刺は手元で眺める。入れられる情報量が変わります
- 評価の基準:きれいかどうかより、クリックされたか・申し込まれたかで評価されます。この視点はマーケティング編とつながっています
逆に言うと、変わらないものもあります。デザインの4原則も配色も文字の知識も、7つの制作物すべてで共通です。
この編で新しく覚えるのは「規定」と「情報量の設計」と「段取り」。基礎の上に、制作物ごとの条件を載せていくイメージではなく、条件に合わせて基礎を使い分ける練習だと思ってください。
学ぶ順番

レッスンは7本。依頼される機会が多い順に、Webから紙へ進みます。
- バナーデザインの実務:サイズ・入稿規定・制作フロー。この編の基準になる回です
- SNSクリエイティブの実務:Instagram・Xの画像サイズと安全マージン
- LINEクリエイティブの実務:リッチメニューの規定サイズと設計
- LPデザインの実務:縦長1ページの設計と視線誘導
- Webサイトデザインの実務:コーポレート・採用・EC(ネット通販)など種別ごとの設計
- チラシ・フライヤーの実務:紙面設計と印刷入稿の流れ
- 名刺・ショップカードの実務:91×55mmに情報を収める練習
1本目のバナーを最初に置いたのには理由があります。規定を確認して、情報を絞って、書き出して入稿する。この流れはSNSでもLINEでもチラシでも同じだからです。バナーで段取りを覚えれば、残りの回は「バナーとの違い」だけ押さえれば読めます。
順番どおりに読まなくても大丈夫です◎ 今まさにチラシの仕事があるなら6本目から。必要な回から開いてください。
また、この編は「作り方」を扱いますが、「なぜその形にするのか」の根拠はマーケティング編にあります。バナーの訴求やLPの構成で迷ったら、マーケティング編の該当レッスンへ戻る。この行き来ができるように、本文の中でもつど案内しますね。
最初のレッスンへ
準備はここまでです。1本目はバナー。サイズの一覧と入稿規定、制作フローを最初にまとめて覚えます。手を動かすミニ実践も各レッスンに用意してあるので、読むだけで終わらせず1つずつ試してみてくださいね。
コース全体の並びはデザイン基礎コースの目次で確認できます。

