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ジャンプ率

第1章 デザインの原則 読了目安 8分

INDEX目次

    同じ内容なのに、高級ブランドの広告は落ち着いて見えて、スーパーのチラシはにぎやかに見える。この差を作っているものの1つがジャンプ率です。

    前のレッスンで学んだ4原則の対比を、数字で扱えるようにする回です。「差をはっきりつける」と言われても迷いますが、倍率で考えると決められます。

    もくじ

    ジャンプ率とは

    ジャンプ率は、いちばん大きい要素と、いちばん小さい要素の比率です。文字なら「見出しの文字サイズ ÷ 本文の文字サイズ」で出します。

    本文16px・見出し32pxなら、ジャンプ率は2.0倍。
    本文16px・見出し20pxなら、1.25倍です。

    この数字が大きいほど元気に、小さいほど落ち着いて見えます。デザインの印象を、感覚ではなく数字で決められるところがジャンプ率の便利さです💡

    ジャンプ率の高い低いを比べた図解。同じ文面で本文16pxのまま、キャッチを21pxにした1.3倍の案と64pxにした4.0倍の案を並べている

    高いとどう見えるか、低いとどう見えるか

    どちらが良いという話ではありません。伝えたい印象で選びます。

    ジャンプ率印象よく使う場面
    低い(1.0〜1.5倍)落ち着き・上品・信頼高級ブランド、士業、医療、コーポレートサイト
    標準(1.5〜2.5倍)読みやすい・素直ブログ記事、サービスサイト、資料
    高い(3.0倍以上)にぎやか・勢い・お得感セールのバナー、チラシ、キャンペーンLP

    高級ブランドのサイトを見ると、文字が小さくて驚くことがあります。あれは意図的です。差をつけないことで、静かで上品に見せています。
    逆にスーパーのチラシは、価格だけが極端に大きい。1秒で「安い」と伝えることが目的だからです。

    文字のジャンプ率の目安

    ちょうどいい倍率は、作るもので変わります。迷ったときの出発点として使ってください。

    • 記事・読み物:1.5〜1.8倍。読み続けてもらうのが目的なので、差は控えめにします
    • サービスサイトの見出し:2.0〜2.5倍。スクロールしながら構造が分かる強さです
    • バナー:3.0〜5.0倍。一瞬で主役が伝わる必要があります
    • プレゼン資料:2.5〜3.0倍。離れた席から見えることが条件です
    媒体別のジャンプ率の目安を並べた一覧図。記事は1.5〜1.8倍、サービスサイトは2.0〜2.5倍、プレゼン資料は2.5〜3.0倍、バナーは3.0〜5.0倍を、実際の文字の大小で示している

    前のレッスンで「対比は1.5倍以上」と書きました。1.5倍がジャンプ率の下限だと考えてください。それ以下は、差をつけたのか揃え損ねたのか伝わりません。

    文字以外のジャンプ率

    画像のジャンプ率

    並べた写真の大小の比率です。全部同じ大きさだと一覧性は上がりますが、平坦になります。
    1枚だけ2〜3倍にすると、そこが主役になります。ギャラリーやブログの記事一覧で効きます。

    余白のジャンプ率

    これは前のレッスンでやった「グループ間はグループ内の2倍以上」と同じ考え方です。余白にも差をつけると、まとまりがはっきりします。

    文字・画像・余白の3つでジャンプ率を揃えると、デザイン全体の調子が合います。文字だけ元気で余白が詰まっている状態は、ちぐはぐに見えます。

    ジャンプ率の決め方

    順番はこうです。

    1. 本文のサイズを先に決める。読める大きさが基準です。Webなら16px前後、バナーなら短辺の4%前後
    2. 伝えたい印象から倍率を選ぶ。落ち着かせたいなら1.5倍、目立たせたいなら3倍
    3. 掛け算で見出しを出す。16px × 2.0 = 32px
    4. 中間サイズは等比で刻む。16 → 20 → 25 → 32 のように、同じ比率で増やすと揃います

    4つ目が地味に効きます。サイズをその都度決めると、18pxと19pxが混ざるような事故が起きます。使う文字サイズは3〜4種類までに絞ってください。反復の考え方と同じです。

    やってしまいがちな失敗

    全部を大きくしてしまう

    目立たせたい要素が3つあると、3つとも大きくしてしまいます。結果、どれも目立ちません。
    直し方は、主役を1つに決めて、他を小さくする。大きくするのではなく、小さくするほうが早いです。

    媒体に合っていない

    コーポレートサイトにチラシのジャンプ率を持ち込むと、安っぽく見えます。逆にセールのバナーを1.2倍で作ると、何も伝わりません。
    直し方は、作る前に「落ち着き」か「勢い」かを決める。決めてから倍率を選びます。

    サイズの種類が多すぎる

    14・15・16・18・19・22・24…と増えると、ジャンプ率が測れなくなります。
    直し方は、3〜4種類に統合する。近い値は同じにまとめてしまって構いません。

    太さで代用しようとする

    サイズを変えずに太字だけで差をつけようとすると、弱い差にしかなりません。
    直し方は、まずサイズで差をつけて、太さは補助に使う。太字だらけの画面は、結局どこも目立ちません。

    練習:同じ文面で2案を作る

    手を動かすと一気に分かります。文面・色・レイアウトは変えず、ジャンプ率だけを変えた2案を作ってください。

    題材はこれを使ってみましょう。

    • キャッチ:はじめての方へ
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    1. A案(低い・1.3倍):本文16px、キャッチ21px
    2. B案(高い・4.0倍):本文16px、キャッチ64px

    作り終えたら、2案を並べて言葉にしてみてください。「Aは落ち着いて見える」「Bは急いでいる感じがする」。この言語化が大事です。次に作るとき、印象から倍率を逆算できるようになります。

    • 2案で変えたのはジャンプ率だけになっている
    • それぞれの印象を、自分の言葉で説明できる
    • どちらを「どんな案件で使うか」を言える

    よくある質問

    ジャンプ率は高いほうがいいんですか

    いいえ。目的次第です。
    一瞬で伝えたいなら高く、じっくり読ませたいなら低く。高いほうが上手に見えるということはありません。むしろ、媒体に合っていない高さは安っぽく見えます。

    スマホとPCで変えるべきですか

    変えたほうがいいです。スマホは画面が狭いので、PCと同じ倍率だと見出しが画面を占領します。
    目安として、スマホではPCの0.7〜0.8倍に落とします。本文は小さくせず、見出しだけを下げるのがコツです。

    何を基準に「本文サイズ」を決めますか

    読む距離で決めます。Webは16px前後が標準です。
    バナーやチラシは見る距離が変わるので、比率で考えます。バナーなら短辺の4%前後が本文の目安。1080×1080なら43px前後です。

    ジャンプ率を測るツールはありますか

    専用ツールは要りません。ブラウザの検証機能で文字サイズを見て、割り算するだけです。
    参考にしたいサイトを開いて、見出しと本文のpxを調べて割る。これを何本かやると、印象と数字が結びつきます◎

    次に学ぶこと

    このレッスンのまとめです。

    • ジャンプ率 = 大きい要素 ÷ 小さい要素
    • 低い(1.0〜1.5倍)は落ち着き、高い(3.0倍以上)は勢い
    • 下限は1.5倍。それ以下は差として伝わらない
    • 本文サイズを先に決めて、倍率を掛けて見出しを出す
    • 使う文字サイズは3〜4種類まで

    ここまでで、4原則・余白・ジャンプ率と、1つの面をどう整えるかを学びました。次は面全体の組み立て方です。次のレッスンは「レイアウトの基本」。要素をどこに置くか、視線がどう動くかを扱います。

    バナーで手を動かしたい方はバナーデザインお題20選をどうぞ。同じお題をジャンプ率違いで2案作ると、練習になります。

    第1章 デザインの原則 の他のレッスン

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