本文へ移動

書体の種類は5つで足りる|セリフ体・サンセリフ体の見分け方と使い分け

第4章 文字とタイポグラフィ 読了目安 7分

INDEX目次

    フォントの一覧を開いて、上から順にクリックしては戻る。気づいたら20分たっていた、なんてことありませんか?

    迷う原因は、書体の分類を知らないまま1つずつ見ているからです。書体は大きく分けると4種類しかありません。分類が頭に入っていると、最初に種類を決めて、その中から選ぶだけになります。
    このレッスンでは、書体とフォントの違い、セリフ体とサンセリフ体の見分け方、日本語の明朝体とゴシック体の関係まで扱います。読み終わったら、街の看板を見ただけで種類を言い当てられるようになりますよ。

    もくじ

    書体とフォントの違い

    まず用語を整理します。

    書体(タイプフェイス)は、文字のデザインそのものを指します。「この形で文字を作る」という設計のことです。
    フォントは、その書体を実際に使えるようにしたデータを指します。パソコンにインストールする側です。

    もともとは活版印刷(金属の文字を並べて紙に刷る、昔の印刷)の言葉です。同じ書体でも、10ポイントの活字の一式と12ポイントの一式は別のフォントとして数えました。書体が設計図、フォントが現物という関係です。

    ただし今の現場では、この2つをほぼ同じ意味で使います。「フォント何にする?」と聞かれたら書体の話です。厳密に使い分けなくても困りません。用語の由来として知っておけば十分です。

    セリフ体とサンセリフ体

    欧文書体の分類は、この2つを覚えれば大半が片付きます。見分けるポイントは、文字の先端です。

    セリフは、文字の線の端についている小さな飾りです。Tの横棒の両端が下に少し伸びていたり、Iの上下に短い横線がついていたり。この飾りがある書体をセリフ体と呼びます。TimesやGaramondが代表です。

    サンセリフの「サン(sans)」はフランス語で「〜がない」の意味です。つまりセリフのない書体で、線の太さが一定で先端に飾りがありません。サンセリフ体と呼び、HelveticaやArialが代表です。

    身近なところで見比べられます。スマホの画面に出る英字、YouTubeやInstagramのボタンの文字は、ほとんどがサンセリフ体です。いっぽう洋書や英字新聞の本文はセリフ体が中心です。手元の画面と紙を並べると、先端の飾りの有無がすぐ分かります。

    印象は次のように分かれます。

    セリフ体サンセリフ体
    先端の飾りあるない
    線の太さ太い部分と細い部分があるほぼ一定
    印象伝統的・落ち着いた・格式現代的・すっきり・親しみ
    得意な場面長い文章、紙の本、高級感を出したいとき画面の文字、小さい文字、看板
    代表Times、GaramondHelvetica、Arial

    セリフが長文で読みやすいのは、飾りが横方向のつながりを作って、目線が次の文字へ流れやすくなるからです。紙の本の本文にセリフ体が多いのは、この理由があります。

    反対に、画面の小さい文字ではセリフが不利になります。飾りの部分がつぶれて、線が太く見えたりぼやけたりするからです。だからWebの本文にはサンセリフ体をよく使います💡

    日本語の明朝体とゴシック体

    日本語にも同じ対立があります。明朝体がセリフ体、ゴシック体がサンセリフ体に対応します。

    明朝体は、横線が細く縦線が太く、横線の右端に三角のふくらみ(ウロコ)があります。新聞や小説の本文がこれです。落ち着いた、真面目な印象になります。

    ゴシック体は、縦も横もほぼ同じ太さで、ウロコがありません。駅の案内表示やスマホの画面がこれです。遠くからでも読みやすく、小さくしてもつぶれません。

    セリフ体と明朝体は文字の先端に飾り(セリフ・ウロコ)があり、サンセリフ体とゴシック体にはないことを同じ文字で比べた図解
    身の回りで見つかる実例
    • 明朝体:新聞や小説の本文、化粧品や和菓子のパッケージ
    • ゴシック体:駅の案内表示、LINEやInstagramの画面、コンビニの値札
    • 同じ「読ませる文字」でも、長く読むか一瞬で見るかで選び分けている

    迷ったときの判断は単純です。

    書体を選ぶときの判断
    • 長く読ませる文章(記事本文・書籍・報告書)→ 明朝体
    • 短く目に入ればいい文字(見出し・ボタン・看板・バナー)→ ゴシック体
    • 画面で小さく表示する文字 → ゴシック体

    Webの本文は、10年前ならゴシック体一択でした。今は画面がきれいになったので、明朝体の本文も読めます。ただし小さい文字や細い明朝体は、見る端末しだいでかすれます。本文で使うなら太さを1段上げてください。フォント名の後ろに付くRegular(標準)をMedium(中太)に変えるだけです。

    この4分類で足りる

    ここまでの4つに手書き系と装飾系を足すと、書体の種類はこう整理できます。

    種類特徴使う場面
    明朝体横が細く縦が太い。ウロコあり長文・落ち着いた印象
    ゴシック体太さが一定。ウロコなし見出し・画面・遠くから読む文字
    セリフ体欧文。先端に飾りあり欧文の長文・格式を出したいとき
    サンセリフ体欧文。飾りなし欧文の見出し・画面の文字
    手書き・装飾系筆記体、丸文字、飾り文字などロゴや短いあしらいだけ

    手書き系と装飾系は、使う量を決めておくと事故が減ります。1つの作品につき、装飾的な書体は1か所まで。本文に使うと読みにくくなり、2か所以上に使うとどちらも目立たなくなります。

    書体を明朝体・ゴシック体・セリフ体・サンセリフ体・手書きや装飾系の5つに分類し、それぞれの特徴と使う場面をまとめた分類マップの図解

    フォントの一覧を見て迷うのは、この分類を通さずに個別のフォント名から選ぼうとするからです。先に「今回は日本語のゴシック体」と決めてしまえば、候補は一気に絞れます。具体的な選び方は次のレッスンで扱います。

    ミニ実践:街で書体を採集する

    今日の帰り道でできる課題です。道具はスマホのカメラだけ。

    1. 外に出て、看板・ポスター・商品パッケージを見ながら歩きます
    2. セリフ体(明朝体)を3つ撮影します。化粧品、和菓子、不動産、病院あたりに多く見つかります
    3. サンセリフ体(ゴシック体)を3つ撮影します。駅の案内、コンビニ、家電の広告に多く使われています
    4. 撮った6枚を並べて、1枚ずつ「なぜこの書体を選んだのか」を1行で書きます
    5. 1枚だけ選んで、頭の中で書体を入れ替えてみます。明朝体の化粧品広告をゴシック体にしたら、印象がどう変わるか

    4と5が本番です。撮るだけだと記録で終わりますが、理由を言葉にすると自分の作品で使えるようになります。「高級感を出したいから明朝」「小さくても読ませたいからゴシック」。この言い換えができれば、書体選びで迷う時間が減ります◎

    慣れてきたら、明朝体の中でも横線の細さが違うこと、ゴシック体にも角ばったものと丸いものがあることに気づきます。そこまで見えたら、分類の目は十分に育っています。

    やってしまいがちな失敗

    1つの作品で書体を3種類以上使う

    書体を増やすと、まとまりが消えます。読む人は「なぜここだけ違うのか」を考えてしまいます。
    直し方は、1作品につき書体は2種類まで。見出しと本文で分けるか、いっそ1種類にして太さと大きさで差をつけます。同じ書体の太字と細字を使い分けるほうが、別の書体を足すよりきれいにまとまります。

    和文と欧文をそのまま混ぜる

    日本語のフォントに入っている英数字は、おまけの扱いのことがあります。日本語部分はきれいなのに、英字だけ間延びして見えるのはこれが原因です。
    直し方は、英数字だけ別のフォントを指定する。明朝体にはセリフ体、ゴシック体にはサンセリフ体を合わせると自然に見えます。

    細い明朝体を小さく使う

    細い明朝体を12px以下で使うと、横線が消えて読めなくなります。特にスマホで顕著です。
    直し方は、小さい文字はゴシック体にするか、明朝体のまま太さを1段上げる。デザインツールの画面では読めても、実機で確認すると印象が変わります。必ずスマホで見てください。

    よくある質問

    書体とフォントは使い分けたほうがいいですか?

    実務では使い分けなくて大丈夫です。今はどちらも同じ意味で通じます。
    もとの意味だけ押さえておけば十分です。書体(タイプフェイス)が文字のデザイン、フォントがそれを使えるようにしたデータ。面接や試験で聞かれたときにこう答えられれば問題ありません。

    書体の種類は全部でいくつありますか?

    個別のフォントは数万種類ありますが、分類なら5つで足ります。明朝体・ゴシック体・セリフ体・サンセリフ体・手書きや装飾系です。
    細かく分けると、欧文だけでオールドスタイル、スラブセリフ、スクリプト体などに枝分かれします。ただし最初から細かい分類を覚えても選ぶのは速くなりません。まず5つで判断して、必要になったら足していってください。

    明朝体とゴシック体、どちらが読みやすいですか?

    場面で逆になります。
    長い文章を続けて読むなら明朝体が有利です。線の強弱があるほうが、文字の形を見分けやすいからです。
    一瞬で目に入れる文字ならゴシック体が有利です。看板や見出し、小さい画面の文字はゴシック体を選んでください。「読みやすさ」には長く読む場合と一瞬で見る場合の2種類があって、答えが違います。

    無料のフォントを仕事で使ってもいいですか?

    使えるものと使えないものがあります。無料でも、個人利用だけ許可、商用は有料、ロゴへの使用は禁止など、条件はフォントごとに違います。
    ダウンロードする前に、配布ページのライセンス表記を必ず読んでください。判断に迷ったら、Google Fontsのように商用利用を明記しているものを選ぶと安全です。

    次に学ぶこと

    今回の要点をまとめます。

    • 書体(タイプフェイス)は文字のデザイン、フォントはそのデータ。実務では区別しなくてよい
    • セリフ=文字の先端の飾り。あるのがセリフ体、ないのがサンセリフ体
    • 日本語では明朝体がセリフ体、ゴシック体がサンセリフ体に対応する
    • 長く読ませるなら明朝体、一瞬で見せるならゴシック体
    • 1作品につき書体は2種類まで

    分類が分かったら、次はその中から1つを選ぶ番です。フォントの選び方で、印象から候補を絞る手順を扱います。同じ文面を3つのフォントで組んで比べる課題つきです。

    フォントを決めたあとは、文字と文字の間の調整が待っています。文字詰めの基本で、タイトルが締まって見える調整を練習してください。コース全体の流れはデザインの基本コース目次から確認できます。

    第4章 文字とタイポグラフィ の他のレッスン

    前後のレッスン

    ← コースの目次へ戻る

    目次

      \ スクールが気になったら、まずはLINEで /

      公式LINE登録で、3大特典をプレゼント

      無料相談(Zoom・30分)の予約もLINEから。勧誘なし・ブロックはいつでもOKです。

      FOR BUSINESS

      法人向け「AI×デザイン」研修

      生成AIを取り入れた制作ワークフローを、半日〜2日のカスタム研修でチームに導入。デザイナー以外の職種の方にも対応します。

      研修について相談する

      オンライン・対面どちらも可 / お見積り無料

      LINE登録で3大特典
      LINE登録で3大特典スクール詳細
      PR バナー
      公式LINEで無料相談 + ロードマップPDFプレゼント中 LINE友だち追加