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補色の組み合わせ方と失敗しない使い方(類似色・トライアド)

第3章 配色 読了目安 9分

INDEX目次

    「この色に何を合わせればいいの?」で毎回止まっていませんか?

    合う色は感覚で探さなくて大丈夫です。色相環のどこから選ぶかを決めれば、組み合わせは自動的に決まります。
    このレッスンでは、使用頻度の高い3つの型を扱います。補色(真向かい)・類似色(隣どうし)・トライアド(3等分)です。あわせて、補色の組み合わせで起きやすい失敗と、その直し方も紹介します。
    最後はトライアドでパレットを1つ作る課題です。作ったパレットは、そのまま次の制作で使えます。

    もくじ

    カラーホイールで色の位置を見る

    カラーホイールは、色相を輪の形に並べたものです。日本語では色相環と呼びます。赤 → 橙 → 黄 → 緑 → 青 → 紫 → 赤、と一周してもとに戻ります。

    配色の型は、この輪の上で「どこを選ぶか」という話でしかありません。輪の上での距離が近いほど馴染み、遠いほど差がつきます。ここだけ押さえれば、型の名前は覚えなくても選べます。

    輪の上での位置できあがる印象
    類似色隣り合う2〜3色(30度前後)まとまる・穏やか・失敗しにくい
    トライアド輪を3等分した3色(120度ずつ)にぎやか・バランスが取れる
    補色真向かいの2色(180度)目立つ・強い・主張し合う
    色相環の上で配色の型3つの位置を比べた図。類似色は隣り合う3色、トライアドは3等分した3色、補色は真向かいの2色にあたることを丸印で示している

    ツールは無料のもので足ります。Canvaの色選択画面やAdobe Colorのカラーホイールを開けば、1色決めるだけで残りを自動で出してくれます。自分で角度を測る作業は要りません💡

    補色:真向かいの2色を組み合わせる

    補色は、カラーホイールで正反対に位置する2色です。赤と緑、青と橙、黄と紫。この3組が代表例です。

    補色を並べると、お互いの色が強く見えます。赤の隣に緑を置くと、赤はいつもより赤く見えます。
    だから補色は「目立たせたい1か所」に使います。セール価格、申し込みボタン、締め切り。ここぞという場所に補色を持ってくると、視線が集まります。
    IKEAの看板がこの形です。青と黄色は輪の上で遠い2色なので、遠くからでも目に入ります。

    面積を対等にしない

    補色の組み合わせで最初にやりがちな失敗が、2色を半分ずつ使うことです。どちらも同じ強さで主張するので、主役が決まりません。

    直し方は面積の差をつけることです。片方を広く、もう片方を狭く。目安は9対1くらいまで振り切って構いません。
    広いほうが背景、狭いほうがボタンや価格。この配分にすると、補色の強さが1か所に集中します。

    補色を使うときの面積配分をビフォーアフターで比べた図。左は2色を半分ずつ使って主役が決まらない例、右は片方を背景、もう片方をボタンだけに絞った例

    ハレーションを避ける

    彩度の高い補色どうしを隣り合わせると、境目がチカチカして見えます。これをハレーションと呼びます。真っ赤な背景に真っ青な文字を置くと起きます。目が疲れて、内容が読めません。

    対策は3つあります。効果が高い順です。

    ハレーションを消す3つの手
    1. あいだに白か黒をはさむ:文字に白フチをつける、あいだに白い線を1本引く。これだけでチカチカが消えます
    2. 片方の彩度を下げる:真っ赤ではなくくすんだ赤にすると、補色の関係は残したまま落ち着きます
    3. 明度差をつける:片方を明るく、片方を暗くします。読みやすさも同時に上がります

    1つ目の「無彩色をはさむ」は覚えておいてください。白・黒・グレーは、どの色とも組み合わせが成立します。困ったときの逃げ道になります。

    ミニ確認(1分)
    コンビニでよく見る商品パッケージを1つ思い出してみてください。オレンジの背景に青い文字、緑の背景に赤いロゴ。補色は目に留まる必要がある場所でよく使われています。ただし、必ずどちらかの面積が小さいはずです。

    類似色:隣どうしでまとめる

    類似色は、カラーホイールで隣り合う2〜3色です。青と青緑と緑、橙と黄と黄緑、といった組み合わせになります。

    いちばん失敗しない型です。色みが近いので、何も考えなくてもまとまります。落ち着いた雰囲気を作りたいとき、企業サイトや資料の配色に向きます。
    デジタル庁のサイトがこの型です。青と水色を中心にまとめて、国のサービスに求められる落ち着きを作っています。

    弱点は、メリハリが出ないことです。どれも似た強さに見えるので、どこを見ればいいか分かりにくくなります。
    解決策は2つ。明度差をしっかりつけるか、アクセントの5%だけ補色を1か所に置くかです。明度差をつけるときは、背景をぐっと白に寄せて、文字を濃くします。
    後者は「スプリットコンプリメンタリ」(補色の両隣から色を借りる型)に近い考え方で、まとまりと目立ちを両立できます。

    トライアド:3等分の3色でバランスを取る

    トライアドは、カラーホイールを3等分した位置の3色です。赤・黄・青、橙・緑・紫といった組み合わせになります。

    3色とも輪の上で等しく離れているので、どれか1色だけが浮きません。にぎやかなのにバランスが取れます。子ども向け、イベント、フェス告知のように、楽しさを出したいときに向きます。

    ただし、3色をそのまま同じ量ずつ使うと、原色のおもちゃのようになります。使い方のコツは2つです。

    • 配分を70対25対5にする:3色を等分せず、ベース・メイン・アクセントに役割を振ります
    • トーンを揃える:3色とも彩度を1〜2段下げると、まとまりが出ます。全部ビビッドのままにしません

    トライアドは、この2つを守れば実務でも使えます。守らないと途端に子ども向けの見た目になるので、対象読者と合うかどうかを先に決めてください。

    どの型を選ぶかの決め方

    型は先に決めます。色を置きながら決めると、あとで全部やり直しになります。判断の順番はこうです。

    目的から型を選ぶ
    1. 落ち着かせたいなら類似色。企業・医療・不動産・資料はここです
    2. 1か所に目を集めたいなら補色。セール、申込ボタン、広告バナーに向きます
    3. にぎやかにしたいならトライアド。イベント、子ども向け、飲食の告知に向きます

    迷ったら類似色を選んでください。地味に振れても事故にはなりません。派手に振れた失敗は目立ちます◎

    ミニ実践:トライアド配色でパレットを1つ作る

    型は作ってみないと身につきません。トライアドでパレットを1つ作ります。所要時間は15分ほど、無料のAdobe ColorとCanvaで足ります。

    1. お題を1つ決めます。「夏の子ども向けワークショップ告知」など、具体的なほうが判断しやすいです
    2. Adobe Colorのカラーホイールを開いて、配色ルールから「トライアド」を選びます
    3. 1色目を決めます。お題のイメージに近い色相を選んでください。残り2色は自動で決まります
    4. 3色とも彩度を1〜2段下げます。ホイール上の点を中心寄りに動かすと下がります
    5. 3色に役割を振ります。いちばん薄い色をベース(70%)、次をメイン(25%)、残りをアクセント(5%)に決めます
    6. Canvaで正方形のバナーを1枚作り、この配分どおりに色を置きます。要素は見出し・説明文・ボタンの3つで構いません
    7. できたら、アクセント色を使った場所が1か所だけか確認します。2か所以上あれば減らします
    8. HEX(#から始まる6桁の色の番号)を3つメモに残します。次の制作でそのまま使えます

    4番の彩度を下げる工程を飛ばさないでください。ここを飛ばすと、トライアドは原色の3色になります。
    作ったパレットは1つ持っておくと、次から色選びの時間がゼロになります。

    仕上がりを次のチェックリストで確認してください。

    仕上がりチェック
    • 3色がカラーホイール上でほぼ等間隔にある
    • 3色のトーンが揃っている(1色だけビビッドになっていない)
    • 面積の配分が70対25対5になっている
    • アクセント色を使った場所が1か所だけ
    • 白黒表示にしても文字が読める

    よくある質問

    補色同士を混ぜるとどうなりますか?

    絵の具のように混ぜると、彩度が打ち消し合って灰色や茶色に近づきます。鮮やかさが消えるので、混色で使う場面は限られます。
    光の場合は逆で、混ぜると白に近づきます。パソコンの画面は光なので、こちらの性質です。
    ただしデザインで補色を使うときは、混ぜずに並べて使います。並べるとお互いを強め合い、混ぜると打ち消し合う。反対の結果になるので混同しないでください。

    補色を組み合わせると、どんな効果がありますか?

    お互いの色が実際より鮮やかに見えます。結果として、その場所が目立ちます。
    使いどころは、視線を1か所に集めたいときです。ボタン、価格、締め切り。逆に、落ち着いた雰囲気を作りたいページ全体には向きません。
    効果が強いぶん、面積を対等にすると全体が騒がしくなります。片方を狭くして使ってください。

    やってはいけない色の組み合わせはありますか?

    絶対にダメな組み合わせはありませんが、事故になりやすい3つがあります。
    1つ目は、彩度の高い補色を隣り合わせること。境目がチカチカして読めません。あいだに白か黒をはさめば直ります。
    2つ目は、明度が近い2色で文字と背景を作ること。色みが違っても読めません。白黒表示にして確かめてください。
    3つ目は、赤と緑だけで違いを表すこと。この2色の区別がつきにくい人がいます。色に加えて、形や文字でも区別をつけてください。

    組み合わせがいい3色は何ですか?

    決まった3色があるわけではなく、選び方に型があります。落ち着かせたいなら類似色(隣り合う3色)、にぎやかにしたいならトライアド(3等分の3色)です。
    どちらを選んでも、配分は70対25対5にします。3色を等分すると、どの型でもまとまりません。
    まず1色をお題から決めて、残り2色はカラーホイールに出してもらう。この手順なら、色の知識がなくても外しません。

    次に学ぶこと

    このレッスンの要点です。

    • 合う色は、カラーホイールの位置で決める
    • 類似色(隣どうし)はまとまる。迷ったらこれ
    • 補色(真向かい)は目立つ。面積を対等にせず、1か所に絞る
    • ハレーションは、白か黒をはさむと消える
    • トライアド(3等分)はにぎやか。彩度を下げて70対25対5で使う

    型で色が選べるようになったら、次は作品全体の雰囲気を揃える話です。トンマナで、色・フォント・あしらいをまとめて1つのルールにする方法を扱います。
    三属性やトーンがあいまいなら、配色の基本に戻って確認してください。決めた色をツールで指定する方法はカラーコードの仕組みにあります。

    ほかのレッスンはデザインの基本コース目次から選べます。

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