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デザインのレイアウト基本|配置を決める順番と型4つ

第2章 レイアウト 読了目安 8分

INDEX目次

    「なんとなく置いただけ」のデザインから抜け出せない…と悩んでいませんか?

    実は、配置には決め方があります。感覚で置いているように見えるプロも、決まった順番でしぼり込んでいるだけなんです。
    このレッスンでは、レイアウトを決める順番と、現場でよく使う型を4つ紹介します。置く前に決める3つ → 視線の流れ → 型を選ぶ、この3ステップです。
    最後にバナー1枚をレイアウトだけ意識して模写する課題を用意しました。読むだけで終わらせず、手を動かして覚えていきましょう。

    もくじ

    レイアウトとは「読む順番」を決めること

    レイアウトは、文字・写真・図形をどこに置くかを決める作業です。でも目的は「きれいに並べること」ではありません。見る人にどの順番で読ませるかを決めることが目的です。

    バナーを見る人は、じっくり読んでくれません。1秒で目に入った1つを見て、興味があれば次を読みます。この「1つ目・2つ目・3つ目」を作り手が決められている状態が、レイアウトができている状態です。

    逆に言うと、置き場所を全部決めてから「どれを最初に見せるか」を考えると手戻りします。順番が先、置き場所はあとです。

    置く前に決める3つ

    白いキャンバスを開く前に、次の3つを紙にメモします。ここが決まっていないと、何度置き直しても正解にたどり着けません。

    置く前に決める3つ
    1. 誰に見せるか:年齢も知識量も違えば、伝わる言葉と情報量が変わります
    2. いちばん伝えたい要素を1つ:価格なのか、商品名なのか、締め切りなのか。1つだけ選びます
    3. どこで見られるか:スマホの小さな枠か、A4の紙か、駅の柱か。見る距離で文字サイズの下限が決まります

    とくに2つ目でつまずく人が多いです。クライアントも自分も「全部大事」と言いたくなります。でも全部を大きくすると、結局どれも目立ちません。
    2つ目に大事な要素は「1つ目を見たあとに読ませるもの」と考えると、順位がつけやすくなります💡

    視線の流れに沿って置く

    人の目には動きのクセがあります。横書きの文化で育った人は、左上から右下へ視線を動かします。このクセに逆らわないだけで、読みやすさが変わります。

    Z型:情報が少ないとき

    左上 → 右上 → 左下 → 右下と、Zを描くように目が動きます。バナーやチラシのように、要素が5〜6個までのものに向きます。
    左上にいちばん伝えたいこと、右下にボタンや申込先を置くと素直に流れます。

    F型:文章が多いとき

    Webページのように文章が続くものでは、左端に沿って下へ、見出しのところだけ右へ目が伸びます。Fの字の形です。
    だから見出しは左端から始めます。中央ぞろえの見出しが読みにくいのは、目のスタート位置が毎回ずれるからです。

    YouTubeやAmazonのページを開いてみてください。サムネイルも商品名も、左端が縦に1本そろっています。目が左端を下へなぞる動きに合わせた形です。

    縦書き・右から左の例外

    和風の広告や書籍の帯は縦書きです。このときは右上から左下へ流れます。和のトンマナ(全体の雰囲気の決めごと)で横書きのZ型を使うと、雰囲気と動きがちぐはぐになります。題材に合わせて選んでください。

    視線の流れのZ型とF型を比べた図解。要素が少ないバナーは左上から右下へZを描き、文章が多いページは左端を下へなぞりながら見出しで右へ伸びる動きを示している

    ミニ確認(1分)
    手元のスマホでSNSの広告を1つ開いて、自分の目がどこから動いたか思い出してみてください。左上から動いたならZ型、左端を下へなぞったならF型です。その動きは、作り手が先に決めています。

    よく使うレイアウトの型4つ

    ゼロから配置を考えると時間が溶けます。まず型を1つ選んで、そこへ要素を流し込むほうが早くて安定します。よく使う4つをまとめました。

    置き方向いている題材
    グリッド型縦横の線を引いて、その枠に沿わせる情報量が多いチラシ・料金表・一覧
    中央ぞろえ型キャンバスの中心線に全部を集める要素が3個以下のシンプルな告知
    分割型画面を2〜3分割して写真と文字を分ける商品バナー・ビフォーアフター
    対角型左上と右下など、対角に主役と副役を置く動きを出したいイベント告知

    迷ったら分割型から試してください。写真と文字がぶつからないので、いちばん失敗しません。
    グリッド型は情報量が多いときの安全策です。線を引いて枠を作れば、要素が20個あっても散らかりません。

    グリッド型のBefore/After。要素の左端がばらばらなチラシと、3分割のグリッドに沿わせて同じ要素を置き直したチラシを並べた図解

    1つの作品で型を混ぜないでください。上半分が中央ぞろえで下半分が左ぞろえだと、目のスタート位置が途中で変わります。読む人は「読みにくい」としか感じませんが、原因はここです。

    型を選んだあとの仕上げ

    型に流し込んだ時点では、まだ「置いただけ」です。ここから3つの調整を加えると仕上がります。どれも別のレッスンで詳しく扱うので、ここでは役割だけ覚えてください。

    型のあとに整える3つ
    • グループを作る・線に揃えるデザインの4原則の近接と整列でまとめます
    • すき間の量を決める余白の使い方で、どのくらい空けるかを数字で決めます
    • 主役の大きさを決めるジャンプ率で、1番目と2番目の差をつけます

    レイアウトは「どこに置くか」、この3つは「どう見せるか」の話です。置き場所が決まる前に飾りはじめると、あとで置き直したときに全部やり直しになります。

    ミニ実践:バナー1枚をレイアウトだけ模写する

    レイアウトを見る目は、模写がいちばん早く育ちます。色もフォントも真似しません。置き場所だけを写します。所要時間は15分ほど、道具は無料のCanvaでもプレゼンソフトでも紙とペンでも大丈夫です。

    1. お手本を1枚選びます。SNSで流れてきた広告バナーで構いません。要素が5〜7個くらいの、情報量が少ないものを選んでください
    2. お手本と同じ縦横比のキャンバスを作ります(正方形なら1080×1080など)
    3. 文字は書かず、グレーの四角だけを置きます。写真も四角、ロゴも四角、文字も四角です
    4. 四角の位置と大きさだけ、お手本に合わせます。ここで時間を使ってください
    5. 並べ終わったら、お手本と自分の画面を左右に並べて見比べます
    6. ずれている四角を直します。3回くらい往復すると、かなり近づきます
    7. 最後に「この作品はどの型か」「視線はどう動くか」を一言でメモします

    四角だけにするのは、色や写真のうまさに目を奪われないためです。文字を書き写すと、内容を読んでしまって配置を見なくなります。
    この課題を5枚もやると、街の広告を見たときに「これは分割型だな」と自然に見えてきますよ◎

    できあがったら、次のチェックリストで確認してください。

    模写のチェック
    • いちばん大きい四角が、お手本と同じ場所にある
    • 四角の数がお手本と同じ(勝手に減らしていない)
    • お手本の型を言葉で言える(グリッド・中央・分割・対角のどれか)
    • 視線がどこから動くか説明できる

    やってしまいがちな失敗

    全部を目立たせようとする

    全部を大きく、全部を赤く、全部に囲みをつける。こうすると、どこにも目が止まりません。
    直し方は、主役を1つ決めて、残りを一段小さくします。減らすほうが目立ちます。

    端までぎっしり詰める

    キャンバスの端から端まで要素を置くと、窮屈で安っぽく見えます。
    直し方は、四辺に同じ幅の余白を確保して、その内側だけを使います。バナーなら短い辺の5%くらいが目安です。

    要素を1つずつ動かして調整する

    1個ずつ動かして「なんかしっくりこない」を繰り返すと、時間だけが過ぎます。原因は型が決まっていないことです。
    直し方は、いったん全部を左上に寄せて、型を選び直します。型が決まれば置き場所は自動的に決まります。

    スマホで確認しない

    パソコンの大画面で作ると、小さい文字も読めてしまいます。実際に見られるのはスマホです。
    直し方は、作業中に何度かスマホの実寸で見ます。画面の縮小表示でも構いません。読めない文字があれば、そこは削る候補です。

    よくある質問

    レイアウトのアイデアが浮かびません。どうすればいいですか?

    ゼロから考えないでください。プロもゼロからは考えません。
    お手本を1枚決めて、その型を借りるところから始めます。型を借りるのは真似ではなく、定石を使うことです。上の模写を5枚やると、頭の中に型のストックができて、次からは選ぶだけになります。

    グリッドは何分割にするのが正解ですか?

    正解の数はありません。要素の数で決めます。
    バナーなら縦横3分割で足ります。Webサイトの一覧ページのように項目が多いものは12分割が扱いやすいです。12は2でも3でも4でも割れるので、2列にも3列にも組み替えられます。まず3分割で試して、足りなければ増やしてください。

    中央ぞろえは使わないほうがいいですか?

    要素が3個以下なら使って大丈夫です。ロゴ・キャッチコピー・日付だけの告知なら、中央ぞろえがいちばんきれいにまとまります。
    避けたいのは、文章が5行以上あるときです。行の長さが違うと左右の端がガタガタになって、揃えたつもりが散らかって見えます。文章が増えたら左ぞろえに変えてください。

    レイアウトと構図は違うものですか?

    近い言葉ですが、扱う対象が違います。構図は写真やイラストの中で被写体をどう収めるかの話、レイアウトは1つの画面に複数の要素をどう配置するかの話です。
    バナー制作では両方使います。写真の中の構図を整えてから、その写真を画面のどこに置くかを決める、という順番です。

    次に学ぶこと

    このレッスンの要点をまとめます。

    • レイアウトの目的は、見る人に読ませる順番を決めること
    • 置く前に、誰に・何を1つ・どこで見られるかを決める
    • 視線は左上から右下へ。情報が少なければZ型、文章が多ければF型
    • 型は4つ(グリッド・中央ぞろえ・分割・対角)。迷ったら分割型
    • 1つの作品で型を混ぜない

    配置が決まったら、次は間隔です。余白の使い方で、どのくらい空けるかを数字で決められるようになります。
    そのあと配色の基本へ進むと、同じレイアウトでも印象を作り分けられるようになりますよ。

    ほかのレッスンはデザインの基本コース目次から選べます。順番に進めても、気になるところだけ読んでも大丈夫です。

    第2章 レイアウト の他のレッスン

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