「20代女性向けで、かわいい感じに」と言われて、ふわっとしたまま作り始めていませんか?
20代女性と言っても、大学生と営業職と子育て中の人では、響く色も言葉も違います。届けたい相手を具体的な1人まで絞る道具がペルソナです。
このレッスンでは、ターゲットとペルソナの違い、誰に届けるかでデザインがどう変わるか、そして紙1枚で作るペルソナシートまで進みます。
ターゲットとペルソナの違い
ターゲットは、届けたい相手を属性のまとまりでとらえたものです。「20代女性・都内在住・会社員」のような書き方をします。
ペルソナは、そのまとまりの中の1人を具体的に描いた人物像です。名前、年齢、仕事、悩み、よく見るSNSまで書きます。

| ターゲット | ペルソナ | |
|---|---|---|
| 粒度 | 集団(20代女性・会社員) | 1人(佐藤ゆい・24歳・営業職) |
| 書く内容 | 年齢・性別・職業などの属性 | 属性+悩み・生活・よく見るSNS |
| 使いどころ | 市場の大きさをつかむ | 配色・トーン・言葉を決める |
誰に届けるかで、デザインはここまで変わる
同じカフェの新店バナーを、2人のペルソナで作り比べてみます。
- ペルソナA:21歳の大学生。カフェの写真をInstagramに載せたい → 明るい配色、写真を主役に、言葉は短く「映えるカフェ、できました」
- ペルソナB:43歳の会社員。平日の昼に1人で落ち着ける場所がほしい → 彩度を抑えた配色、余白を広く、言葉は丁寧に「静かな昼休みを、駅から2分で」

お店は同じでも、届けたい人が変わると、配色・フォント・写真・言葉づかい・出す媒体まで全部変わります。Aさん向けならInstagramの縦型投稿、Bさん向けなら駅の看板やWebサイトのほうが届くかもしれません。
逆に言うと、ペルソナが決まっていないデザインは、この判断を全部「なんとなく」でやることになります。
トンマナのレッスンで「誰に何を伝えるかを1文で書く」と学びました。その「誰に」を1人まで具体化したものがペルソナです。トンマナの出発点になります。
ペルソナシートに書く項目
ペルソナは紙1枚のシートにまとめます。書く項目は4つのまとまりで足ります。

- 基本:名前・年齢・仕事や学校・住まい
- 暮らし:1日の流れ・お金の使い方
- 気持ち:いちばんの悩み・叶えたいこと
- 接点:よく見るSNS・情報の探し方
デザインの判断に特に効くのは「気持ち」と「接点」です。悩みが分かれば何を言うかが決まり、よく見るSNSが分かれば縦型か横型か、どんなトーンの投稿に並ぶのかが決まります。
全項目を埋めることが目的ではありません。判断に使わない項目は空欄で構いません。
やってしまいがちな失敗
理想のお客さんを書いてしまう
「お金に余裕があって、うちの商品を気に入ってくれる人」。それは願望であって、ペルソナではありません。
直し方は、実在の情報から作ること。既存のお客さん、身近な人、SNSで見かける投稿。根拠のある材料を1つは入れてください。
細かくしすぎて使わない
血液型や好きな映画まで書いても、配色は決まりません。項目が多いほど作るのが大変になり、作って満足して終わります。
直し方は、紙1枚・4まとまりに絞ること。足りなくなったら、そのとき足せば十分です。
作ったのに、制作中に見ない
ペルソナは作って終わりの資料ではありません。
色で迷ったら「この人ならどっちを選ぶ?」、言葉で迷ったら「この人に話しかけるならどう言う?」。制作中の迷いをこの1人に聞く。それがペルソナの使い方です。
ミニ実践:架空のカフェのペルソナを紙1枚で作る
15分の課題です。道具は紙とペンだけ。
- 駅前に新しくできた架空のカフェを想像する。コーヒー1杯500円くらいのお店にします
- 来てほしい1人を決めて、名前・年齢・仕事を書く
- その人の悩みを1つ書く。例:「午後に集中できる場所がない」
- よく見るSNSを1つ書く。InstagramかXか、LINEしか見ないのか
- 仕上げに、この人向けバナーの「色・写真・ひとこと」を1行ずつ書いてみる
手順5でスラスラ手が動いたら、ペルソナがデザインの判断に効いている証拠です◎ 止まったら、悩みかSNSの欄が薄いはずなので、そこを書き足してみてください。
よくある質問
次に学ぶこと
今日の内容を整理します。
- ターゲットは集団、ペルソナは具体的な1人
- 誰に届けるかで、配色・フォント・写真・言葉・媒体が全部変わる
- シートは紙1枚・4まとまり。特に「悩み」と「よく見るSNS」を厚く書く
- 制作中の迷いは、ペルソナの1人に聞いて決める
次のレッスンは「購買行動モデルと訴求設計」。ペルソナで決めたその1人が、知ってから買うまでにたどる段階の話です。段階が分かると、バナーとLPで言うことを変えられるようになります。

コース全体はデザイン基礎コースの目次からどうぞ。
