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キービジュアルの作り方|メインビジュアル・FVとの違いと構成要素

第5章 装飾とビジュアル表現 読了目安 8分

INDEX目次

    LP(商品やサービスの申し込みまでを1ページにまとめたページ)を作るとき、いちばん時間がかかるのが上の1枚です。ここが決まらないと、下も決まりません。

    その1枚をキービジュアルと呼びます。現場ではメインビジュアル、MV、FVといった呼び方も飛び交うので、まずここを整理します。言葉が揃っていないと、修正の指示が噛み合いません。

    そのあと、キービジュアルの構成要素と作る順番を見ていきます。最後に、実際のLPを1つ分解する練習をします。作る前に、良い1枚の中身を知っておきましょう◎

    もくじ

    キービジュアル・メインビジュアル・ファーストビューの関係

    3つとも「ページの上のほう」を指す言葉ですが、意味する範囲が違います。

    キービジュアル・メインビジュアル・ファーストビューの関係を示した図解。ファーストビューはスクロールせずに見える範囲、メインビジュアルはそのページの主役画像、キービジュアルはWebやチラシやSNSで使い回す企画の顔となる1枚だと示している
    言葉指すもの
    キービジュアルKVそのブランドや企画の顔になる1枚。Web・チラシ・広告で使い回す
    メインビジュアルMVそのページの主役になる画像。ページごとに変わる
    ファーストビューFVスクロールせずに見える範囲。画像ではなく「領域」を指す

    いちばん大きいのがキービジュアルです。1つの企画に対して1枚作り、Webサイト、SNS、チラシ、交通広告と、あらゆる場所で同じ1枚を使います。
    メインビジュアルはページ単位です。トップページと採用ページで別々のものを置きます。

    いま手元で確かめられます。YouTubeを開いて、スクロールせずに見えている範囲。あれがファーストビューです。映画の公開時に駅のポスター・Web・SNSで同じ絵柄を見かけるとしたら、そちらがキービジュアルにあたります。

    ファーストビューだけは種類が違います。画像そのものではなく、画面をスクロールしないで見える範囲のことです。「FVに入れる」は「上の見える範囲に置く」という意味になります。

    実務では、この3つが混ざったまま会話が進むこともあります。相手が範囲の話をしているのか、画像1枚の話をしているのか。ここだけ確認すれば、指示のずれはほぼ防げます。
    ページ全体の部品の呼び方はWebページの構成要素でまとめています。

    キービジュアルの構成要素は5つ

    良いキービジュアルは、だいたい同じ部品でできています。この5つです。

    キービジュアルの構成要素を分解した図解。キャッチコピー、補足の1行、ビジュアル、行動のボタン、安心の材料の5つに番号を振り、それぞれの役割を右側に並べている
    キービジュアルの5つの構成要素
    1. キャッチコピー:いちばん大きい文字。何のサービスか、誰のためかを一言で
    2. 補足の1行:コピーだけで足りない情報を短く足す
    3. ビジュアル:写真かイラスト。使う場面や使っている人が分かるもの
    4. 行動のボタン:申し込む、資料をもらう、詳しく見る
    5. 安心の材料:ロゴ、実績の数字、受賞、対応エリアなど
    実例: Appleの製品ページ

    Appleの製品ページを開いて、スクロールせずに見える範囲だけ見てください。置いてあるのは、製品名の大きな文字・短い1行・製品写真・「購入」のボタンだけです。5要素のうち4つがそのまま並んでいます。

    会社の説明も、価格の内訳も、対応機種の一覧も、上には置いていません。全部スクロールした先です。上で説明しきらないと決めているから、4つだけで済んでいます。

    もっと極端な例がGoogle検索のトップページです。ロゴと検索窓とボタンだけ。要素を減らすほど、何をするページか一瞬で伝わります。自分のバナーやLPでも、まず「上から下ろせるものはどれか」を探してみてください。

    順番も大事です。上から1→2→3の順で目に入るように、大きさと位置を決めます。ジャンプ率で学んだ倍率がそのまま使えます。キャッチコピーと補足の差は、最低でも1.5倍つけてください。

    5の安心の材料は、入れすぎると邪魔になります。1〜2個で十分です。3秒で読み切れる量に収めてください。

    Amazonの商品ページが分かりやすい例です。商品名のすぐ下に星の評価とレビュー件数が置いてあります。文章の説明ではなく、記号と数字だけ。安心の材料は、この形が理想です。楽天の商品ページも同じ位置に同じものを置いています。あなたが作るバナーなら、実績の数字を1つだけ大きめに出す形になります。

    逆に、キービジュアルに入れなくていいものもあります。会社の沿革、細かい料金表、長い説明文。これらは下のセクションで扱えば足ります。上で全部説明しようとすると、どれも読まれません。

    作る順番は「言葉 → 配置 → 写真」

    写真から選ぶと、まず失敗します。きれいな写真に合わせて言葉を削ることになり、伝えたいことが消えるからです。

    1. キャッチコピーを決める:20字以内。誰の何が変わるかを書きます
    2. 5つの要素を四角で配置する:写真は灰色の四角のまま、大きさと位置だけ決めます
    3. 写真を当てはめる:2で決めた四角に合う写真を探します
    4. 文字が読めるか確認する:写真の上に文字が乗る場合、背景を暗くするか帯を敷きます
    5. スマホで見る:横長で作ったものは、縦になると左右が切れます

    写真を先に決めないでください。灰色の四角のまま配置を終わらせると、「この位置に、この形の写真が要る」と条件がはっきりします。素材探しの時間も短くなります。

    4の「文字が読めるか」は、写真を使うキービジュアルで必ず起きる問題です。直し方は3つあります。写真全体を暗くする、文字の裏に半透明の帯を敷く、写真の中の空いている部分に文字を置く。
    いちばん強いのは3つ目です。最初から文字を置ける余白がある写真を選べば、加工が要りません。

    スマホでの見え方を先に決める

    キービジュアルの失敗でいちばん多いのが、スマホで主役が切れることです。パソコンの横長で作った1枚は、縦長の画面に入れると左右が削られます。Instagramに横長の写真を上げると、一覧では正方形に切り取られますよね。あれと同じことが起きています。

    パソコンで作った横長のキービジュアルがスマホで左右を切られる様子を示した図解。端に置いた文字やボタンが消える例と、大事なものを中央に寄せて切れなくした例を並べている

    対策は2つです。

    • 大事なものを中央に寄せる:左右の端は残らない前提で置きます
    • スマホ用に別の1枚を作る:縦長のレイアウトを作り直します。手間はかかりますが確実です

    アクセスの多くがスマホからなら、スマホの縦長で先に作るのが早いです。縦で成立したものを横に広げるほうが、逆より簡単です。

    公開前に、次の項目を確認してください。

    公開前チェック
    • 3秒見ただけで、何のサービスか分かる
    • キャッチコピーと補足の大きさに1.5倍以上の差がある
    • 写真の上の文字が、目を細めても読める
    • スマホで主役の顔や商品が切れていない
    • ボタンがスクロールなしで見える位置にある
    • 入れた情報が5要素に収まっている

    ミニ実践:LPのキービジュアルを分解する

    所要15分。作る前に、実物を分解します。

    1. 気になる商品やサービスのLPを1つ開き、上の1画面をスクリーンショットで撮ります
    2. その画像を、Canvaやパワーポイントに貼ります
    3. 5つの要素(キャッチコピー・補足・ビジュアル・ボタン・安心の材料)を四角で囲み、番号を振ります
    4. 足りない要素があれば書き出します。なくても成立しているなら、その理由を考えます
    5. 同じページをスマホでも開いて、何が切れているか見ます
    6. キャッチコピーを書き写して、文字数を数えます

    6をやると気づきます。うまいキャッチコピーは、たいてい20字前後です。長い説明は下に置いてあります。

    3つのLPで同じことをすると、業種ごとの型が見えてきます。物を売るページは写真が大きく、サービスのページは文字が大きい。自分が作るときの参考になりますよ。

    よくある質問

    メインビジュアルとキービジュアルの違いは何ですか?

    使う範囲が違います。キービジュアルは企画やブランド全体で使い回す1枚で、Webにもチラシにも広告にも同じものを使います。メインビジュアルはページ単位の主役画像で、トップページと採用ページでは別々のものになります。
    ただし現場では、この2つをほぼ同じ意味で使う人もいます。話が噛み合わないと感じたら、「ページ単位の話ですか、企画全体の話ですか」と聞くのが早いです。

    キービジュアルにはどんな例がありますか?

    身近なところだと、映画の公開時に駅・Web・チラシで見かける同じ絵柄。あれが典型です。ドラマの番宣、季節キャンペーン、イベントの告知でも同じ作り方をします。
    Webだと、LPの上に大きく置かれた写真とキャッチコピーの組み合わせがそれにあたります。
    共通しているのは、媒体が変わっても同じ絵柄を使い続けている点です。何度も見せることで覚えてもらう狙いがあります。

    キービジュアルは日本語で何と言い換えますか?

    1語で置き換えられる訳語はありません。「主要画像」「看板になる1枚」「顔となるビジュアル」あたりが近い言い方です。
    社内の資料では「メインの絵柄」と書く例もよく見ます。相手が用語に慣れていないときは、無理に英語のまま使わず、「ページの上に置く大きい1枚」と説明したほうが伝わります。

    写真がなくてもキービジュアルは作れますか?

    作れます。文字と図形だけで組む方法があります。大きなキャッチコピーを主役にして、背景は1色か薄い質感だけにする。この形は、サービス系のLPでよく見かけます。
    写真がないぶん、文字の大きさの差と余白で見せることになります。余白の使い方ジャンプ率が効いてくる場面です。

    次に学ぶこと

    今回のまとめです。

    • キービジュアル(KV)は企画の顔。メインビジュアル(MV)はページの主役。ファーストビュー(FV)は見える範囲
    • 構成要素は、キャッチコピー・補足・ビジュアル・ボタン・安心の材料の5つ
    • 作る順番は、言葉 → 四角で配置 → 写真 → 可読性 → スマホ確認
    • スマホでは左右が切れる。大事なものは中央に寄せる

    次のレッスンはインフォグラフィックです。1枚の絵で情報を伝える話で、キービジュアルの中に数字や流れを入れたいときに役立ちます。
    ページ全体の組み立てに進みたい方はWebページの構成要素へどうぞ。

    コース全体の流れはデザイン基礎知識コースの目次から確認できます。

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